前回の記事の出来事の翌日。
ログインしてみると
えのんとカエルがなにやら話をしていた。
カエル「ヤハサン、トラシュカのスコア見て」ニヤニヤ
不敵なセリフから読み取れる、
余裕な態度。
ま、まさかこいつ...
スコアを確認する私。
そう。不安は的中した。
昨日、ワンツーフィニッシュを決めた
スコアボードの上位が
カエルによって塗り替えられていたのだ!!!
カエル「ククク...」
私は忘れていた。
カエルは執念深い男だということを!!
↑カエルのサブキャラけろこ。
そのとき私は
あれだけえのんと団結してたたき出したスコアを
カエルに易々と更新されたことにより、
静かに闘志が湧き上がるのを感じていた。
えのん「ヤハサン!・・・トラシュカいこうぜ!!!」
昨日と同じセリフだったが
えのんにも私と同じく内なる闘志が感じられた。
~~~~~~~~~~~
昨日とは違った
張り詰めた緊張感が今日の海にはあった。
えのん「うおおおお!けろこがなんぼのもんじゃああ!!」
ヤハサン「なまぐせーーんだよ!!!!」
えのん「wwwwwwww」
ミドリには向けなかったような罵倒を糧に
(中身は同一人物ではあるけれど)
お互いを鼓舞してけろこの記録に挑む。
・・・が。
えのん「わあああああまただめだったああ!!!」
ヤハサン「1位なのに~~~!!!」
昨日の練習?の成果もあってか
二人とも1位を取れることが多くなってはきた。
だが、やはり最終のスコアが30万点に遠く及ばないのだ。
そんなことが何回続いただろうか。
集中力も切れ始め、海に落ちる回数も多くなってきた。
↑正しくはジャマ
イカ。
えのん「ヤハサン・・・わいはもうアカン」
ヤハサン「私ももう今日はやめますね・・・」
その日は、
二人とも完全に戦意を喪失してログアウト。
それほどまでにけろこの記録の壁は高かったのである。
そして次の日。
カエル「ヤハサン、トラシュカのスコア見て」ニヤニヤニヤニヤ
テジャブ感満載のこのセリフ。
しかもこのコメント、
トラシュカの会場から発言している。
...想像はしたくなかったが
名指しされてしまっては仕方ない。
予想していることの裏付けになってしまうのであろうが
しぶしぶスコアを確認しにいく私。
またもや塗り替えられていた記録。
しかもけろこでもミドリでもない、カエルの三文字。
チームのスコアボードは見るも無残に蹂躙され、
えのんと築き上げた友情のスコアは隅に追いやられていた。
遅れてやってきたえのんも
スコアボードの惨状を目の当たりにする。
ジュレットの町サーバー5に立たずむ彼の後ろ姿は
どこか哀愁さえ感じた。
えのん「ヤハサン・・・」
ヤハサン「えのんさん・・・」
えのん「トラシュカもう飽きたわ!!」
ヤハサン「wwwww」
私は二つ目のことを忘れていた。
えのんもまたプクリポだということを!!
えのん「神の福いこ~かぁ~~~」ケラケラケラ
あまりのショックに頭にキノコでも生えてしまったのか、
昨日まで一緒に切磋琢磨した彼の姿はもうどこにもなかった。
あるのは薄汚れた毛玉の塊。えのんは死んだ。もういない。
ならば私が弔い合戦に挑むしかない。
こうして私は、友情と名誉の証を奪還するために、
戦場へ再び赴いた。
・・・のだが
カエルも黙ってはいなかった!
カエルは、ランキングの王座をキープするのに余念がない。
1位を確実に手中に収めるため、堅実にトラシュカに通っているのだ。
(こいつ・・・!!!)
そう。カエルは執念深い男なのだ!!
カエルがトップに君臨してから3日間、
私も休まずにトラシュカに通い続けたのだが、
カエルも同じく航海に繰り出していた。
恐らく、私が諦めるまで
カエルはこの戦場に通い続ける気なのだろう。
(これでは埒が明かない・・・作戦変更だ!)
作戦変更。
名付けて「トラシュカに飽きたフリしてサブで通う作戦」である。
文字通り、「ヤハサン」と
顔が割れている「きむりん」ではトラシュカに通わず、
ごく一部の人にしか顔が割れていない秘蔵っ子
「あんじゅ」でカエルの記録に挑むことにした。
↑秘蔵っ子あんじゅ。
血沸き肉躍る大海原が、
謀略をめぐらす知能戦へと変貌した瞬間だった。
~~~~~~~~~~
作戦を変更してから2日。
サブでトラシュカに通い始めたのが功を奏して、
カエルの気配も戦場から消えた。
残るは、カエルの置き土産である
33万点の記録を破るのみ。
それから私は、
33万点との奮闘を数日にわたって繰り広げた。
ここまで通い詰めると
10回中、半分ほどは1位を取れるようになってきた。
(体感ではあるが。)
だが大半は30万を切るスコアばかり。
1位を取っても、カエルの記録に遠く及ばない
自分のスコアに毎回落胆するのであった。
↑1位でも26万くらいのスコアがザラ。
回数を重ねていると
どうしても疲弊も避けられなくなってしまう。
最後のフィーバータイムに海に投げ出され、
お宝の山を見ているだけしかなかったときなんかは
地獄の責め苦を味わうような気分である。
そんな苦行を数日繰り返す私。
ついにトラシュカ最終日。
執拗にお宝を追い回したことで
いつの間にかカエルよりも執念深くなってしまっていた。
もはや執念というより怨念である。恨みである。
最終日を迎えた私のスコアは32万点。
カエルのスコアに1万点およばない。
当日の私は正直、みじめそのものだった。
刻一刻と迫る時間。
焦る私。落ちる私。10秒間指をくわえる私。
だがイベント終了30分前に奇跡が起こった!!!
その回もいつもと同じように
スコアを伸ばして行っていた。
迎えた終盤のフィーバータイム。
荒れ狂う波模様。吹き荒れる風。
そして、いつもとは違う
ルビーや財宝の山、ぎんの女神像!!
これは・・・いけるのでは??
きわどいところにお宝が配置されてはいるが
なんとか全てを獲得。
手に汗握りながら嵐を駆け抜ける。
嵐が明け、ついに採点タイム。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
ついに
ついに!!!
カエルのスコアを越えたのだ!!!!
声にならない叫びとともに
急いでカエルの現在スコアを確認しに行く。
33万点。
目標にしていた得点から
カエルのスコアは変わりなかった。
そのまま呆然とし、
イベント終了のアナウンス。
勝った・・・
私は勝ったのだ。
となりにえのんはいなかったが、
カエルに奪われた友情の証を取り戻したような気がした。
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翌日。
普段はあまり見ない
チームチャットをなにげなく確認すると
チームメンバーの他愛ない会話がそこにはあった。
↑ドワ子のけろさん。カエルとは赤の他人。チームの貴重な癒し枠。
この会話の裏で
私が友情と名誉のために奔走していたことを彼らは知らない。
というか、最後にぶっちゃけると
カエルに勝てなかったらこのネタはお蔵入りにしよう
と途中まで思っていたりもした。
結果の良し悪しで公表を決めるのは
これくらいのことをやってのけないとダメなのだ。
今回はこのあたりで筆を置こうと思う。
また来年、
潮騒に乗ってやってくるトラシュカを心待ちにしながら
再び冒険譚を執筆できるのを楽しみにしている。